ウィルの太陽通信~5~

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皆さんこんにちは

株式会社ウィルの更新担当の中西です。

 

さて今回は

~秋から冬への転換期に考える~

 

 

11月。空気が澄み渡り、陽射しがやわらかく感じられる季節だ。
この時期は太陽光発電において、意外にも「安定した効率を発揮しやすい季節」であることをご存じだろうか。
夏場の強い日射の印象が強いため、「冬は発電量が下がるのでは」と考える人が多い。だが、実際には太陽光パネルの特性上、気温が低いほど発電効率が上がる傾向がある。

太陽光パネルは半導体で構成されており、熱を持つと抵抗が増す。
真夏の炎天下では気温が高くなり、発電量が理論値よりも落ちることも多い。
一方で、11月のように気温が20度を下回る季節では、空気が乾燥して透明度が高く、直射日光を効率よく吸収できる。つまり「少ない日照時間でも高効率」という理想的な条件が整うのである。

特に、屋根設置型の住宅用パネルでは、夏の高温よりもこの季節の方が安定して稼働する。
空気中の湿度が低いため、光が散乱しにくく、入射光がストレートにセルに届く。
また、風が程よくあることも冷却効果となり、パネル温度を一定に保つ。
これらの要因が重なることで、11月は年間の中でも発電効率のバランスがよい月と言える。

この時期に注目すべき点は、太陽光発電システムのメンテナンスにも適しているということだ。
夏場に蓄積した砂埃、花粉、鳥の糞などを清掃することで、冬季の安定稼働につながる。
とくにパネル表面の汚れは光の反射率を高め、発電ロスを招くため、1割程度の出力低下を引き起こすこともある。
11月の晴天を利用し、専門業者による点検を実施することで、翌年の発電収益にも大きな差が出る。

加えて、季節の変わり目は配線やパワーコンディショナの状態も確認しておきたい。
特に寒冷地では、冬季の霜や雪の重みによる配線の緩みや断線リスクが増す。
出力が安定している今の時期に、年末に向けた「システムの健康診断」を行うことを推奨する。

太陽光発電は“夏のもの”というイメージが強いが、実際には気候が落ち着く秋から冬こそ、システムの真価が発揮される。
11月という時期を、再点検と見直しのタイミングとして捉えることが、長期的なエネルギー収益の鍵となる。