ウィルの太陽通信~2~

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皆さんこんにちは

株式会社ウィルの更新担当の中西です。

 

さて今回は

~設計・施工品質の核心~

 

施工品質の差は、事故・故障・性能低下として確実に表面化します。ここでは、住宅用と産業用に共通する設計・施工の要所を、構造・電気・防水の三位一体で整理します。

1. 構造と耐風・耐雪・耐震

  • 荷重評価:自重・積雪・風圧・地震力を総合。屋根は梁・母屋・デッキの構成を確認し、下地強度、野地板の劣化、錆・腐朽を点検。

  • 耐風設計:局所的な負圧が強い軒・隅角部では固定点を増し、架台のアンカー設計を強化。屋根材種別(折半、瓦、スレート、立平、陸屋根)ごとに適合金具を選定。

  • 腐食対策:海浜部は溶融亜鉛めっき、ステンレス締結材、絶縁ブッシュで異種金属接触を抑制。水切り・排水経路を確保して滞水を避ける。

  • 増設時の整合:既設の荷重余裕、経年劣化、風洞条件の再評価。旧規格のボルト・母屋ピッチに合わせた補強部材を用意。

2. 電気設計と安全

  • ストリング設計:IV特性、温度係数、PCSの入力範囲に一致させ、ストリング長のばらつきを抑制。影の当たり方が異なるエリアはMPPTごとに分離。

  • 配線・接続:ケーブル槽・結束・曲げ半径・ドレイン処理。端子圧着は規格工具とトルク管理、二重確証の写真記録。

  • 接地・等電位:落雷・サージ対策としてSPD(直流・交流側)、接地抵抗の測定・記録。金属架台の連結は導通試験で検証。

  • アーク・ホットスポット対策:コネクタの互換混在を避け、作業前のコネクタ型番照合を標準化。サーモグラフィで竣工前検査を実施。

3. 防水と屋根健全性

  • 穴開け工法:貫通部周囲の下地強化、防水シートの重ね代、シーリング材の選定と塗布量、押さえ金物のトルク管理。メーカー仕様書の逸脱を禁止。

  • 無貫通工法(加重・吸盤・クランプ):加重分散、風荷重評価、滑動・転倒に対する安全率を記録化。防水層への点荷重回避。

  • 雨仕舞:水上・水下の金物、ケーブルの経路、ドレン詰まり対策。配線の「水滴先」を常に下に作り、侵入経路を遮断。

  • 竣工写真台帳:各貫通点、シーリング、固定金具、配線ルート、接地、試験値を位置情報つきで保存。保証・保険・点検効率が向上。

4. 試験・検査・引渡し

  • 絶縁抵抗、接地抵抗、開放電圧、短絡電流、IVカーブ、PCSの設定、系統連系試験。合否基準を事前に共有し、逸脱時の是正フローを定義。

  • 引渡し資料:竣工図、ストリング図、機器リスト、保証書、点検計画書、緊急連絡網、保険付保証の証憑。

5. 現場運営

  • 安全書類:作業手順書、危険予知(KY)、リスクアセスメント、立入管理図。

  • 資材・物流:屋根搬入ルート、荷上げ機材の荷重分散、保管時の養生。直射・塩害・粉塵対策。

  • コミュニケーション:近隣説明、騒音・粉塵・駐車管理。施主の業務に干渉しない工程配慮(工場稼働、物流ピーク)。

まとめ

設計・施工・防水・電気を貫く標準化と、証拠主義(写真・測定値)の徹底が「品質」を数値化します。再現性のある現場運営と記録が、保険・保証・再販価値までを支えます。